この品種は、「不知火」に「マーコット」を交配して得られた珠心胚実生の中から選抜、育成されたものであり、果形が球、果実の大きさが重、果皮色が橙の育成地(熊本県下益城郡松橋町)では1月下旬~2月上旬に成熟するかんきつである。樹姿はやや直立、樹の大きさは大、樹勢は強である。枝梢の太さは太、節間長はやや長、枝梢のとげの多少は多である。葉身の形は披針形、波状の程度は弱、大きさ、葉身長及び葉身幅は中、網脈の鮮明度はやや明瞭である。翼葉の形は楔形、葉柄の長さは中、太さは太である。花序の形成は単生、花(花蕾)の重さは軽、花弁の形は紡錘形、長さはやや短、幅はやや広、色は白、数は5枚、花糸の分離の程度は分離、花粉の多少は少である。果実の形は球、果形指数は小、果頂部の形は平坦、放射条溝の有無は有、凹環の有無は無、果梗部の形は高カラー凹、放射条溝の多少は多である。果心の充実度は空、大きさは大、果実の重さは重、果皮の色は橙、油胞の大きさは小、密度は疎、凹凸は凸、果面の粗滑はやや粗、果皮の厚さは中、果皮歩合は小、剥皮の難易は易である。じょうのう膜の硬さは軟、さじょうの形及び大きさは中、色は橙である。果汁の多少は多、甘味は高、酸味及び香気の多少は中、種子数は少、胚の数は多胚である。発芽期及び開花期はやや晩、成熟期は早で育成地においては1月下旬~2月上旬である。隔年結果性は中、浮皮果の発生は少、裂果の発生は無、貯蔵性は長である。「不知火」と比較して、樹が大きいこと、樹勢が強いこと等で、「はるみ」と比較して、樹が大きいこと、樹勢が強いこと、枝梢のとげが多いこと、翼葉の形が楔形であること等で区別性が認められる。 |