この品種は、「秋田酒44号」に「東北141号(後の「こころまち」)」を交配して育成された固定品種であり、育成地(岩手県北上市)における成熟期は早生の早、稈長がやや短 、穂長が中、千粒重が大の醸造用の水稲、粳種である。草型は偏穂数、稈長はやや短、細太はやや太、剛柔はやや柔、止葉の直立の程度はやや立、葉身の色及び葉鞘の色は緑である。穂長は中、穂数はやや少、粒着密度は中である。穎色は黄白、ふ先色は黄白-黄、護穎の色は淡黄、芒の有無と多少は稀、芒長は極短である。玄米の形はやや円、大小はやや大、精玄米千粒重は大、玄米の見かけの品質は中の中、光沢はやや良、心白の多少はやや少、大小はやや小、水稲・陸稲の別は水稲、粳・糯の別は粳である。出穂期及び成熟期は早生の早、障害型耐冷性、穂発芽性及び耐倒伏性は中、脱粒性は難である。いもち病抵抗性推定遺伝子型はPi-a、i、穂いもちほ場抵抗性及び葉いもちほ場抵抗性はやや強である。「たかねみのり」と比較して、精玄米千粒重が大きいこと、心白が出ること、いもち病抵抗性推定遺伝子型がPi-a、iであること等で、「美山錦」と比較して、稈長及び穂長が短いこと、穂数が多いこと、出穂期及び成熟期が早いこと等で区別性が認められる。 |