この品種は、「山形酒49号(後の「出羽燦々」)」に「秋田酒49号」を交配して育成された固定品種であり、育成地(岩手県江刺市)における成熟期は中生の中、玄米が大、心白が多の酒造向きの水稲、粳種である。草型は極穂重、稈長は長、細太は太、剛柔は中、止葉の直立の程度はやや立である。穂長はやや短、穂数は少、粒着密度はやや密、穎色は黄白、ふ先色は黄白-黄、護頴の色は淡黄である。玄米の形はやや円、大小は大、精玄米千粒重は大、玄米の見かけの品質は上の下、光沢はやや良、香りは無、心白の多少は多、大小は中である。出穂期及び成熟期は中生の中、障害型耐冷性は強、穂発芽性はやや難、耐倒伏性は中、脱粒性は難である。いもち病抵抗性推定遺伝子型はPi-a、穂いもちほ場抵抗性はやや弱、葉いもちほ場抵抗性は中である。「美山錦」と比較して、心白が多いこと、いもち病抵抗性推定遺伝子型がPi-aであること等で、「ひとめぼれ」と比較して、草型が極穂重型であること、粒着密度が密であること等で区別性が認められる。 |